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フリーランス新法 業務委託契約書 チェックリスト10項目【2024年11月施行・条文番号付き】

メタディスクリプション: フリーランス新法(2024年11月施行)で契約書の何を確認すべき?支払期日60日・解除予告30日など違反条項の見つけ方を条文番号付きで解説。署名前5分で収入トラブルを防ぐ。


フリーランス新法とは?2024年11月施行の概要と対象者

フリーランス新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律) は、2024年11月1日に施行された、フリーランスを守るための新しい法律です。

フリーランス新法の対象者は?

  • 対象フリーランス: 従業員を雇用しない個人事業主・一人法人(特定受託事業者)
  • 対象発注者: フリーランスに業務委託するすべての事業者(資本金規模を問わない)

下請法が資本金規模による適用要件を設けているのに対し、フリーランス新法は資本金・従業員数に関係なくすべての発注者に適用される点が大きな違いです。個人事業主が個人事業主に発注する場合も対象になります。

フリーランス新法が定める主なルール

条文 内容
第3条 業務内容・報酬・支払期日などの書面明示義務
第4条 支払期日を給付受領日から60日以内に設定する義務
第5条 報酬減額・受領拒否・やり直し強制など7類型の禁止行為
第16条 中途解除・更新拒絶の30日前予告義務
第35条 違反命令に従わない場合の50万円以下の罰金

なぜ契約書の署名前チェックが必要なのか

受注が決まり、契約書が届いた。ざっと読んで「問題なさそう」とサインしていませんか?

一見すると普通に見える業務委託契約書でも、フリーランス新法や下請法に違反する条項が紛れ込んでいるケースは珍しくありません。署名後に問題へ気づいても、契約を覆すのは非常に困難です。

「問題なさそう」は最も危険なサインです。法的知識がなければ違反条項は見抜けません。この記事では、フリーランスが署名前に確認すべきチェックリスト10項目を条文番号つきで解説します。


業務委託契約書チェックリスト10項目【フリーランス新法・下請法対応】

✅ 1. 業務内容が具体的に記載されているか(第3条)

「その他関連業務」「発注者の指示による業務」など曖昧な表現は要注意です。フリーランス新法第3条は、業務内容の書面明示を義務づけています。

確認ポイント:

  • 成果物の種類・数量・品質基準が明記されているか
  • 「その他業務」「付随業務」など範囲が無限定になっていないか
  • 業務の範囲外となる作業が明確か

曖昧な記載は「当初の想定にない業務を依頼された」というトラブルの直接原因になります。


✅ 2. 報酬額・単価が数字で明記されているか(第3条)

「協議の上定める」のみの条項は不十分です。単価・数量・合計金額を具体的な数字で記載することが必要です。

確認ポイント:

  • 「月額〇〇円」「1記事〇〇円×〇本」など数字で明示されているか
  • 追加作業が発生した場合の単価が明記されているか
  • 消費税の扱い(税込・税別)が明記されているか

✅ 3. 支払期日が給付受領日から60日以内か(第4条)★最重要

最重要チェック項目です。 フリーランス新法第4条は、給付受領日から60日以内に支払期日を設定することを義務づけています。

計算例で確認:

  • 「毎月末日締め・翌月末払い」→ 最大31日:✅ 適法
  • 「毎月20日締め・翌月末払い」→ 最大41日:✅ 適法
  • 「毎月末日締め・翌々月末払い」→ 最大62日:⚠️ 違反の可能性あり

契約書に記載された締め日と支払日を実際に計算して確認してください。「翌々月払い」は多くの場合で60日を超えます。


✅ 4. 報酬の一方的変更条項がないか(第5条第2号)

「甲の業績により報酬を変更できる」「甲の裁量で単価を見直せる」などの条項は、報酬減額の禁止(第5条第2号) に違反する可能性があります。

危険な表現の例:

  • 「甲の経営判断により報酬を変更できるものとする」
  • 「市場動向に応じて単価を調整することがある」
  • 「成果物の品質によって報酬を減額できる」(合意なき場合)

合意なき一方的な報酬変更は認められません。変更が必要な場合は「双方の書面合意による」と明記されているか確認しましょう。


✅ 5. やり直しの条件が「受託者の責任」に限定されているか(第5条第7号)

「成果物が期待に沿わない場合は無償でやり直すこと」「いかなる理由でも修正に応じること」といった表現は不当なやり直し強制の禁止(第5条第7号) に抵触するリスクがあります。

確認ポイント:

  • やり直しが発生する条件が「受託者の責めに帰すべき事由がある場合」に限定されているか
  • 発注者の主観的な「気に入らない」で無償修正を求められる構造になっていないか
  • 修正回数や期限の上限が明記されているか

✅ 6. 返品条件が明確に限定されているか(第5条第3号)

「いかなる理由でも返品に応じること」など、発注者が自由に成果物を返品できる内容は不当な返品の禁止(第5条第3号) に抵触します。

確認ポイント:

  • 返品できる条件が「受託者の責めに帰すべき事由がある場合のみ」と限定されているか
  • 「気に入らない場合」「使用しないと判断した場合」など主観的な理由での返品が認められていないか

✅ 7. 検収期間が具体的に明記されているか(第5条第1号)

「検収の判断は甲の絶対的裁量による」「検収期間に定めなし」など、受け取りを無期限に保留できる内容は受領拒否(第5条第1号) につながります。

確認ポイント:

  • 「納品から〇日以内に検収する」など、具体的な検収期間が明記されているか
  • 検収期間内に連絡がない場合は「合格とみなす」旨が記載されているか
  • 検収基準(何をもって合格とするか)が客観的に定められているか

検収期間の目安として「14日以内」が一般的です。


✅ 8. 物品・サービスの購入強制がないか(第5条第5号)

「業務遂行にあたり甲の提供するシステムを有償で利用すること」など、不必要な物品・サービスの購入を強制する条項は第5条第5号違反です。

確認ポイント:

  • 業務に必要なツール・システムの購入が強制されていないか
  • 購入が必要な場合、その費用が業務委託料に適切に反映されているか
  • 業務上の合理的な必要性が認められない購入要求がないか

✅ 9. 解除予告期間が30日以上確保されているか(第16条)

継続的な業務委託契約において「甲はいつでも本契約を解除できる」などの即時解除条項は、フリーランス新法第16条違反です。

フリーランス新法第16条のルール:

  • 中途解除・更新拒絶には30日前の予告が義務
  • 対象は「継続的業務委託(6か月以上)」
  • 予告なき解除の場合、30日分相当の損害賠償請求が可能になる

突然の契約打ち切りによる収入断絶を防ぐために必ず確認してください。


✅ 10. 競業禁止・損害賠償の範囲が合理的か

フリーランス新法に直接規定はありませんが、過度に広い競業禁止条項や無制限の損害賠償条項はフリーランスの経営リスクを不当に高めます。

危険な表現の例:

  • 「契約終了後3年間、一切の類似業務・競合他社への就業を禁止する」
  • 「損害賠償額に上限を設けない」
  • 「いかなる損害も受託者が全額補償する」

交渉の目安:

  • 競業禁止期間:6か月〜1年、地理的・業務的範囲を限定
  • 損害賠償上限:「受領済み報酬額まで」が合理的な水準

よくある質問(FAQ)

Q1. フリーランス新法に違反した発注者にはどんな罰則がありますか?

フリーランス新法違反が認められた場合、公正取引委員会または厚生労働大臣による勧告・命令が行われます(第20〜22条)。命令に従わない場合は50万円以下の罰金が科せられます(第35条)。

また、報告徴収・立入検査の対象にもなります(第23条)。違反を発見した場合は、公正取引委員会の相談窓口(0570-200-395)に申告できます。

Q2. 契約書に問題のある条項があった場合、どう交渉すればよいですか?

修正を申し入れることが第一歩です。フリーランス新法に違反する条項は法律上無効になる可能性があるため、「法令に基づき修正をお願いしたい」と具体的な条文番号を示して交渉しましょう。

交渉の進め方:

  1. 問題のある条項を特定し、根拠条文を確認する
  2. 修正案を具体的に提示する(例:「30日前予告に変更してください」)
  3. 発注者が修正に応じない場合は、公正取引委員会のフリーランス相談窓口(0570-200-395) へ相談する

フリーランス新法違反を理由に交渉することは、法的に正当な権利行使です。

Q3. フリーランス新法と下請法は何が違いますか?

最大の違いは適用対象の範囲です。

比較項目 フリーランス新法 下請法
適用条件 資本金規模を問わず全発注者 資本金規模による要件あり
対象取引 従業員なしのフリーランスへの委託 製造・修理・情報成果物など
支払期日 給付受領日から60日以内 給付受領日から60日以内
解除予告 30日前(第16条) 規定なし

資本金の小さい発注者でもフリーランス新法は適用されるため、フリーランスはフリーランス新法での保護を優先的に確認しましょう。


業務委託契約書チェックリスト:まとめ一覧表

# チェック項目 根拠条文 見逃したときのリスク
1 業務内容の具体的な明示 第3条 想定外業務の強制
2 報酬額・単価の数字明記 第3条 未払い・減額トラブル
3 支払期日が60日以内 第4条 支払い遅延・資金繰り悪化
4 報酬の一方的変更禁止 第5条第2号 不当な減額
5 やり直し条件の限定 第5条第7号 無償作業の際限なき強制
6 返品条件の限定 第5条第3号 納品後の不当な返品
7 検収期間の明記 第5条第1号

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