⚖️フリーランス新法ガイド契約書をAIでチェック →
← 記事一覧に戻る

フリーランスへの発注で「知らなかった」では済まない違反10パターン【発注担当者向け完全ガイド】

メタディスクリプション: フリーランスへの発注でやりがちな法令違反10パターンを解説。フリーランス新法・下請法の書面交付義務・支払期日・禁止行為を担当者向けにわかりやすく解説。チェックリスト付き。


「うちは大丈夫」と思っている会社ほど、危ない

フリーランス新法が施行されてから、企業の法務・調達担当者の間でこんな会話が増えています。

「下請法はちゃんと守ってるし、うちは問題ない」「顧問弁護士に確認したから大丈夫」「フリーランスへの発注は少額だから対象外のはず」

残念ながら、これらはすべて誤解です。

フリーランス新法は、資本金規模に関係なく、従業員を1人でも雇っている事業者に適用されます。下請法が適用されない小規模な発注でも対象です。そして2024年11月の施行から今日まで、多くの企業が「知らずに」違反し続けています。

違反が発覚した場合のリスクは明確です。行政指導→是正命令→企業名の公表。 金銭的なペナルティより、ブランドへのダメージが深刻です。

この記事では、発注担当者が今すぐ自社の状況を確認できるよう、よくある違反10パターンをチェック形式で解説します。


まず確認:あなたの会社はフリーランス新法の対象か

以下の2つを確認してください。

発注側(あなたの会社): 従業員を1人以上雇っている → 対象
受注側(フリーランス): 従業員を雇っていない個人・一人法人 → 対象

この両方に当てはまる取引が対象です。資本金は関係ありません。


違反パターン①:口頭で発注して書面を送っていない

こんな状況ではありませんか

「急ぎだから口頭で頼んで、後で契約書を整えればいい」「Slackで依頼すれば書面代わりになる(つもり)」

何が問題か

フリーランス新法第3条は、業務委託の際に以下を書面(電子メール可)で交付することを義務付けています。

  • 業務委託日・業務内容・納期
  • 検査完了期日(いつまでに確認するか)
  • 報酬額・支払期日・支払方法

Slackのメッセージでも「書面」として認められますが、上記の必須事項が全て含まれている必要があります。「〇〇お願いします」だけのメッセージは書面交付義務を果たしていません。

今すぐできる対策

発注時に必ず送るメールテンプレートを作り、上記8項目を必須入力にする。5分でできる改善です。


違反パターン②:支払サイトが実質60日を超えている

こんな状況ではありませんか

「末締め翌々月末払い」という社内ルールを、フリーランスにもそのまま適用している

何が問題か

「末締め翌々月末払い」は、受領日によっては60日を大幅に超えます。

例:1月15日に成果物を受領した場合
→ 1月末締め → 3月末払い = 74日後

フリーランス新法第4条は成果物受領日から60日以内の支払期日設定を義務付けており、この計算だと明確な違反です。

今すぐできる対策

全フリーランスへの支払条件を「受領日から30日以内」に変更する。または個別に受領日を記録し、60日以内に収まるか毎回確認する運用を導入する。


違反パターン③:検収期間を定めずに「確認する」だけ

こんな状況ではありませんか

「確認して問題あれば連絡します」という運用で、いつまでに確認するかを決めていない

何が問題か

検収期間が定まっていないと、意図せず支払いが遅延します。また「まだ確認中」という理由で支払期日を曖昧にされるリスクが生じます。フリーランス新法第3条は検収完了期日の明示を義務付けています。

今すぐできる対策

「受領後14日以内に検収完了・通知。期日内に通知がない場合はみなし検収とする」という条項を全ての発注書・契約書に追加する。


今使っている発注書・契約書テンプレートは大丈夫か

上記3つのパターンだけでも、多くの企業の発注書に問題があることがわかります。現在使用している発注書・契約書テンプレートをAIで診断することで、法令適合性を一括確認できます。

→ 発注書・契約書を今すぐ診断する


違反パターン④:仕様変更を無償でやり直しさせている

こんな状況ではありませんか

「やっぱり方向性を変えたい。全部作り直してください」と追加費用なしで依頼している

何が問題か

フリーランス新法第5条第7号は「不当に給付内容を変更させ、または給付をやり直させること」を禁止しています。発注者都合の仕様変更を無償で押し付けることは、法律上の禁止行為です。

今すぐできる対策

「仕様変更は追加費用の協議が必要」という社内ルールを明文化する。発注前の要件定義を徹底し、途中変更が生じた場合のフローを決めておく。


違反パターン⑤:報酬を一方的に減額している

こんな状況ではありませんか

「クオリティが期待を下回ったので、報酬を20%カットします」と通知した

何が問題か

フリーランス新法第5条第3号・下請法第4条第1項第3号は、あらかじめ定められた報酬の不当な減額を禁止しています。品質への不満は「修正依頼」で対処するものであり、合意なしの報酬減額は法律違反です。


違反パターン⑥:成果物の受け取りを拒否している

こんな状況ではありませんか

「予算が変わったので今回は受け取れません」「別のやり方にしてほしかったので受け取りません」

何が問題か

フリーランス新法第5条第1号・下請法第4条第1項第1号は、正当な理由のない受領拒否を禁止しています。発注者都合の受領拒否は明確な違反です。受け取った上でキャンセル処理し、報酬を全額支払う必要があります。


違反パターン⑦:短期間での契約打ち切りを通知した

こんな状況ではありませんか

「来月から体制を変えるので、今月末でお願いします」と数日前に通知した

何が問題か

フリーランス新法第16条は、継続的業務委託の中途解除・不更新に際して30日前の予告を義務付けています。 数日前の通知は明確な違反です。フリーランスにとって突然の収入喪失は死活問題であり、この規定はそれを防ぐためのものです。

今すぐできる対策

「継続的フリーランス契約の終了は30日前に書面で通知する」というルールを社内で徹底する。


違反パターン⑧:ハラスメント防止の対象にフリーランスを含めていない

こんな状況ではありませんか

「ハラスメント規程はあるが、対象者は従業員に限定している」

何が問題か

フリーランス新法第14条は、発注者にフリーランスへのハラスメント対策体制の整備を義務付けています。既存のハラスメント規程に「業務委託先のフリーランス」を対象として追加する必要があります。


違反パターン⑨:育児・介護を理由とした配慮をしていない

こんな状況ではありませんか

「フリーランスだから、こちらの都合で急ぎ対応してもらえる」という前提で発注している

何が問題か

フリーランス新法第13条は、継続的業務委託において育児・介護を行うフリーランスへの配慮義務を定めています。一方的な急ぎ依頼や合理的な配慮を欠く納期設定は、フリーランス新法第13条の義務違反に該当します。


違反パターン⑩:書面を送っているが必須事項が不足している

必須8項目チェックリスト

自社の発注書・契約書に、以下が全て含まれているか確認してください。

  • ☐ 業務委託日
  • ☐ 業務内容・成果物の仕様
  • ☐ 成果物の数量
  • ☐ 納期
  • 検査完了期日(受領後〇日以内)
  • ☐ 報酬額
  • 支払期日(受領後〇日以内)
  • ☐ 支払方法

1つでも欠けていれば、書面交付義務(フリーランス新法第3条)を果たしていません。


違反が発覚した場合に何が起きるか

段階 内容
行政調査 厚生労働省・公正取引委員会による立入検査
是正勧告 違反行為の是正を求める勧告
是正命令 勧告に従わない場合の命令
企業名公表 命令に違反した場合、社名が公表される
罰金 報告拒否・虚偽報告に50万円以下

企業名公表は、採用・営業・取引先への影響が深刻です。罰金の50万円より、信用失墜のダメージの方が大きい。


今すぐやるべき3つのアクション

今週中に:

  1. 発注書テンプレートに必須8項目が揃っているか確認する
  2. 全フリーランスへの支払サイトを受領日ベースで計算し直す
  3. 現在進行中の全フリーランス契約書をAI診断にかける

「先手を打って対応する」ことが、企業リスクを最小化する唯一の方法です。

→ 発注書・契約書の法令適合性を今すぐ確認する


本記事の情報は2025年時点のものです。個別の取引については法律専門家へのご相談を推奨します。

契約書のリスクをAIで今すぐチェック →

フリーランス新法・下請法の観点から契約書を分析。違反リスクを条文番号付きで指摘します。

500円から始める