業務委託の「買いたたき」はフリーランス新法違反|対策と証拠の残し方
メタディスクリプション: フリーランス新法が禁止する「買いたたき」とは何か。単価を一方的に下げられた・相場より著しく低い報酬を強いられた場合の法的根拠と具体的な対策を解説します。
「単価を下げてほしい」は法律違反になりうる
フリーランスの方から最もよく聞くトラブルの一つが「急に単価を下げてくれと言われた」「前回より30%低い見積もりを出したら、それでもまだ高いと言われた」というものです。
発注者の立場から見れば「交渉」のように見えますが、その行為が一線を越えると**フリーランス新法第5条第4号「買いたたきの禁止」**に抵触します。2024年11月の施行以降、この禁止規定は法的な効力を持ちます。
フリーランス新法が禁止する「買いたたき」の定義
フリーランス新法第5条第4号では、以下の行為が禁止されています。
通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額を不当に定めること
「著しく低い」かどうかは、以下の観点から判断されます:
- 同種の業務の市場単価との比較
- 他の受注者に支払われている報酬との比較
- 一方的・強制的な単価決定のプロセス
- コスト割れを強いる水準かどうか
単に「安い」だけでは違反にはなりませんが、市場相場から大きく乖離しており、かつその決定プロセスが一方的・強制的である場合には違反と認定されやすくなります。
こんな条項が契約書に入っていたら危険
【要注意条項の例】
・「報酬は甲の業績・都合により変更できるものとする」
・「次回以降の単価は協議なく甲が決定できる」
・「乙は市場動向を考慮した単価調整に応じること」
これらは、発注者が一方的に報酬を下げる権限を持つことを意味し、**報酬減額の禁止(第5条第2号)**とあわせて買いたたきにつながるリスクがあります。
買いたたきに遭った場合の対処法
Step 1:「合意はしていない」と意思表示する
口頭で単価引き下げを求められた場合、即座に応じるのではなく「検討させてください」と時間を取り、書面(メール)で反論することが重要です。口頭で「わかりました」と答えると、合意とみなされる可能性があります。
Step 2:証拠を記録・保存する
- 単価引き下げを求めるメール・チャット
- 過去の請求書・振込明細(従来の単価の証拠)
- 同業他者の相場を示す資料(クラウドソーシングの単価一覧など)
Step 3:書面で異議を申し立てる
「フリーランス新法第5条第4号に基づき、当該単価設定は買いたたきに該当する可能性があるため、従来単価での継続を求めます」と内容証明で送付することで、法的な主張を記録に残せます。
Step 4:公的機関へ申告する
- フリーランス・トラブル110番(0120-532-110)
- 公正取引委員会への申告(匿名可)
- 厚生労働省の相談窓口
発注者側の企業が注意すべきこと
中小企業の発注担当者の方にも注意が必要です。「予算が厳しいからもう少し安くしてほしい」という交渉は、状況によっては法律違反になります。特に:
- 継続的な取引関係の中での一方的な単価引き下げ
- 他社との相見積もりを盾にした過度な値引き要求
- 契約締結後の理由なき減額要求
これらは買いたたきとして行政指導の対象になりえます。
契約前に「買いたたきリスク条項」をチェックする
最善の対策は契約書の段階で買いたたきにつながる条項を発見し、修正を求めることです。当サービスでは、フリーランス新法第5条第4号に基づく分析を自動で行い、該当リスクのある条項を修正案つきで指摘します。
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参照:フリーランス新法 第5条第2号・第4号、下請法 第4条第1項第4号